2002年12月1日〜8日

すき焼きじゃ。牛肉じゃ こういうのが入るのじゃ


12月1日(日)
雨。寒い。水底外出。お茶漬けを食べて出る。私は、いりこにキムチ、わかめ、味噌で味噌汁を仕立てる。これとご飯を食べる。昼は韓国インスタントラーメンに鶏手羽元と葱を入れて煮て食べる。パンにチーズをはさんで食べる、さつま芋を食べる。めちゃめちゃな食事。ひとりでいるとどうも食事がおかしくなる。あとで気持ち悪くなるのだ。夜は、昨日のすき焼きにうどんを入れて食べる。水底が餃子を買ってきたので、それを焼いて食べる。

韓国のインスタントラーメンは不思議である。袋麺の話だが、麺の太さはまちまちで、中には日本のカップうどんぐらいのものもある。たいていスープは辛い。軽く辛いものから、とても辛いものまである。具がついていて、葱や唐辛子、くだいた干し椎茸などが入っている。日本の袋麺で具付きのものはとても少ないが、韓国のものは具付きが一般的なようだ。煮込む時間も長い。もっともハングルで書いてあるので、水の量と時間ぐらいしかよく分からない。ひとつ違いを感じるのは、日本の袋麺であれば、スープの香りが飛ぶのを防ぐためか、最後に火を止めてからというものが多い。しかし、韓国のものは、最初に具も麺もスープも入れてしまって煮込むタイプが多いようだ。これもお国柄の違いか。
今日食べた韓国インスタントラーメンの袋には印刷ににぼしが書いてあった。にぼしでだしをとっています、と言いたいらしい。たしかに、いりこだしの香りがする。どちらかといえば、うどん、であった。

時々、インスタントラーメンというものが食べたくなる。もちろん、グルタミン酸ナトリウムがたくさん使われているので食べたあと胃がもたれる。しかし、癖のようなものである。食事、というよりも、嗜好品、という方が正しいような気がする。健康とか命を長らえさせるために食べているというよりも、そのときの感情をインスタントラーメンに入れているような気がする。チョコレートやコーヒーなどと同じなのかも知れない。
もちろん、グルタミン酸ナトリウムに習慣性があるとか、インスタントラーメンに習慣性があるなどと言うつもりはない。ただ、そういう気分になることがある、というだけだ。
同じようなものに、日本風のカレーがある。ただ、あれは、私が思うに習慣性がある。理由なく、そう思う。


購入:餃子。


食:9時、ご飯、キムチ汁。
食:13時、韓国ラーメン、チーズトースト、さつま芋。
食:23時、ご飯、すき焼きうどん、餃子。





12月2日(月)
晴れ。外の木々がはらはらと残りの葉を落としている。落葉は1週間ほど前からはじまっているが、昨日の雨で、木も本気になったようで、風がわずかしかなくてもどんどん葉が落ちてくる。師走、冬である。プールに行く。人がめっきりと減った。
昼、ご飯を炊き、いりこ、乾燥おから、葱、油揚げの味噌汁を仕立てる。すき焼きうどんの残り汁に車麩を入れて卵でとじる。納豆を食べる。
夜、鍋にする。昆布、鶏もも肉、白菜、大根、里芋、人参、京菜、蓮根、葱、うどん、油揚げ、豆腐を入れる。たっぷりと食べる。水炊きはいい。味付けは自由自在である。わが家では、水底がごまだれかぽん酢、私がぽん酢か酢醤油に、ゆず胡椒やかんずりを使う。時には、ごまだれとぽん酢を合わせたりもする。ぽん酢は、関西の旭ぽん酢である。有機とか、素材とか、いろんな蘊蓄のあるメーカーではない。ただ、これだけをつくっているメーカーである。どうも話に聞くととても小さな会社らしい。これが水炊きによく合う。
これとは別に、ちょっと高いが、陸前高田のヤマセンがつくるぽん酢もうまい。小さな瓶しかなく、とても高く、なかなか買えないが、それだけ旨い。
酢醤油も捨てたものではない。わが家は、小豆島のかめびし醤油と、京都の富士酢を使っている。これは、どちらも自然食品店や宅配などで買える。醤油も、酢も、自己主張の激しい品だが、素材をうまく引き立てる。
そして、なにより、昆布、肉、野菜など、鍋に入れたすべてのものが、それぞれにいいだしを生み、なんとも言えない香りとうまみを醸し出す。素材のもつ味が、合わさることで調和し、お互いを高め、新たな領域に行くのである。
そして、水炊きの味は、毎回違う。同じ素材を使っていても、微妙に違う。
同じ鍋を囲んでいても、食べる人それぞれが、違う味をつくる。
鍋は、実に不思議だ。おいしいと言い合っていても、お互いに食べている味は違うのである。そして、そのどれもがおいしい。鍋の季節、到来。白菜と大根と葱の消費量が増える季節である。


購入:豆腐、卵。


食:14時、ご飯、味噌汁、車麩のすき焼き風卵とじ、納豆、キムチ、漬物。
食:21時、ご飯、鍋。




12月3日(火)
晴れのち雨。洗濯したのに雨が降ってきた。所用で立川に行く。多摩モノレールにはじめて乗る。運賃は高いし、スピードは遅いが、高いところから多摩川などを望みつつ行くのは楽しい。立川のビルの中にある中華料理店街に行き、昼を食べる。点心や料理が少しずつたくさん出るランチを食べる。なかなかおいしいものたりなかった。
夕方、水底がハッシュドポテトをこしらえる。ケチャップやカッテージチーズをつけて食べる。
夜は、ご飯を炊いて、昨日の鍋汁に入れ、雑炊となる。水底が仕込む。卵ではなく、長芋、葱、油揚げを入れたもの。鍋汁がとてもおいしかったので、とてもすてきな雑炊になった。満足する。
水炊き鍋のおいしさは、翌日の雑炊である。すべてが渾然一体となってできたエッセンスをご飯に染みこませて、食べる。夢中で食べる。食べた後には、とてもお腹がいっぱいになる。そして、しばらくすると、何度もトイレに行くこととなる。尿意である。米にたっぷりと含まれた水分が身体の中にすうすうと吸い込まれ、そして、出ていこうとする。
何度も、何度も、トイレに行く。
気持ちがいいほどである。
翌日には、たっぷりと、大きい方を出すことになる。これもまた、すばらしい。


食:12時、豚のお粥、春巻、焼売、野菜の湯葉包み無視、海老のチリソース、牛バラの煮込み、杏仁豆腐など(外食)
食:17時、ハッシュドポテト
食:21時、雑炊、キムチ、漬物。




12月4日(水)
雨。寒い1日。プールに行く。昼、ご飯を炊き、味噌汁を仕立てる。ごぼう、さつま芋、葱、大根、人参の味噌汁。白菜の菜焼き。夜は、買ってきたいかを水底がさばく。3杯のうち、1杯は塩から、1杯は刺身、1杯は里芋と煮る用に分け、げそとえんぺらを私がにんにくと玉葱、ごま油で炒め、醤油、塩、こしょうで味付ける。午後、水底が懸賞で当てたキッシュロレーヌが届く。ほうれん草入りオムレツのようなものがピザ台にこしらえてあるお菓子と料理の中間のようなものである。実は、大学時代によく行った喫茶店がフランス菓子の店で、そこにもキッシュロレーヌがあって、何度か食べている。だから、知らない味ではない。これをおかずのひとつにして、ご飯を食べる。ご飯、味噌汁の残り、げそ炒め、いか刺し、キムチ、キッシュ。さあ、おかずとしての間違いはどれ?
おかずにならなくもないが、腑に落ちない。そこで、最後に納豆ご飯を食べて落ち着く。


届きもの:キッシュロレーヌ。

購入:納豆、冷凍うどん、いか、天かす。



食:14時、ご飯、味噌汁、納豆、菜焼き、キムチ、漬物。
食:21時、ご飯、キッシュロレーヌ、味噌汁、いか刺し、いかげそ炒め、キムチ、漬物、納豆。




12月5日(木)
晴れ、曇り。宅配届く。毎週1回、有機農産物等の流通事業体という呼ばれ方をする宅配を受けている。野菜と肉と豆腐、油揚げに、時々、乳製品などを購入。今は、加工食品が次々に開発され、並んでいるが、それらにはほとんど興味がない。自宅で毎日食事を作ることができるので、必要性を感じないのである。これが、通勤していたら、やはり加工食品に頼るであろう。現代社会に加工食品は必須となっている。やむを得ないことである。しかし、時々寂しくなる。スーパーでもそうだが、加工食品に棚をとられ、生鮮食品の比率が下がる。牛乳などにしても、牛乳より加工乳などの方が幅を利かせたりする。素材を求めるには、厳しい世の中になったものである。素材から料理をするのは、もはや、好事家の贅沢なのであろうか。
昼、韓国インスタントラーメンとする。キャベツ、いんげん、わけぎ、昨日のいか刺しの残りを入れて煮込む。なかなか辛い。夜は、水底がいかと里芋の煮物をこしらえる。干し椎茸を戻し、戻し汁といか、里芋を醤油、酒で煮込む。セレベスと里芋があったのだが、親芋のセレベスがねっとりとして実においしかった。味噌汁は、いりこに、大根、さつま芋、ごぼう、ひらたけ、大根葉、油揚げ、豆腐。鍋汁のようなものである。


宅配:セレベス、大根、ごぼう、いんげん、ひらたけ、あさつき、ルッコラ、レタス、キャベツ、りんご、白菜、豚バラ、豆腐、油揚げ、鶏手羽先、鶏砂肝。


食:14時、ご飯、韓国インスタントラーメン、キムチ。
食:21時、ご飯、味噌汁、納豆、いかと里芋の煮物、キムチ、漬物、冷や奴。




12月6日(金)
曇り、夜中に雨。朝、大手町で打ち合せ。夜、市ヶ谷で打ち合せ。その間の時間をなんとするか。新橋の事務所にも人がいない。考えたあげく、一度帰ることにした。帰るのであれば、水底の好物を買ってからにしよう、と、大手町パレスホテルのサンドイッチショップ、エクスチェンジに行く。ここは、金融機関などに勤める欧米人御用達の店である。スモークサーモンをライ麦パンにはさんだものと、鶏のカレー風サラダをフランスパンにはさんだものを注文し、しばらく待って購入。金額は、1つ1000円以上するが、サンドイッチとしてちゃんとしたものが食べられる数少ない店である。帰って、ふたりでサンドイッチを堪能。夕方、あらためて外出。夜は、打ち合せに続き忘年会。四谷の和食屋で、和食のコース料理を食べる。最後に焼きおにぎりと漬物、鮭の味噌汁が出た。
水底の友人で名古屋に在住する方から、名古屋の味噌煮込みうどん、レトルトカレー、カレールーが届く。水底、レトルトに一手間かけるタイプのカレーをつくるが、どうやら失敗したらしい。帰ったら、1日、おいしいものを食べなかったと不平を言う。サンドイッチのことを忘れていたので思い出させる。少し気持ちが晴れたようだ。


届きもの:カレールー、レトルトカレー、味噌煮込みうどん。


食:13時、サンドイッチ(購入)
食:19時、ビール、刺身、焼き魚、焼きおにぎり、味噌汁、ほか(外食)




12月7日(土)
雨。雨がかなり降る。もみじの葉が車と道一面に積もる。水底外出。起きて、水底の失敗カレーを復活させるべく、にんにく、玉葱、カレー粉、スパイス、ケチャップなどを入れて煮込む。なんとかカレー風な香りになる。それにチーズを加えてご飯を食べた。油っ気が多いのか胃にもたれる。夜は、一昨日のいかと里芋の煮物が残っていたので、里芋だけ取りだし、水と醤油と昆布を加えて、大根と残り具のいか、椎茸を煮る。大根のだしが染み出して、別のうまみとなる。それにカレーを食べる。明け方、味噌煮込みうどんと大根を食べた。
味噌煮込みうどんは、袋入りのだしを煮出す。あじぶしや昆布、椎茸などが入っていて、それを煮出すことでだしを出すものだ。化学調味料は入っていない。そこに、赤みそや醤油などが入った味噌だれを入れ、油揚げ、葱、ついでに、大根葉を入れて、生うどんを加える。3〜4分煮て食べろとあるが、まるで生である。水底は、この味噌煮込みうどんをつくっている元々の店で食べたことがある。そこでも、やはり、まるで生の状態で食べるという。しかし、やはりもう少し煮て食べることにする。世の中にはいろいろなうどんの食べ方があるものだと感心する。


届きもの:里芋、アメリカ(カイモ、さつま芋の一種)


食:12時、カレーライス。
食:20時、ご飯、カレー、納豆、大根といかの煮物、里芋の煮たの、漬物。
食:27時、味噌煮込みうどん、大根の煮物。




12月8日(日)
雨から雪へ。寒波である。寒いのである。寒いのに、部屋の片づけをする。久しぶりに掃除をしたのでばちがあたったのか、夜、雪が降り始め、積もる。昼、昨日の味噌煮込みうどんの残り汁と大根の煮物の残り汁に冷凍うどんと葱と大根葉を入れて煮込む。新、煮込みうどんの完成である。これとカレーの残りを食べる。夜は、ご飯と納豆、白菜と豚バラ肉を塩、胡椒で煮込み、最後にごま油をふりかけたものを食べる。白菜が半分、あっという間になくなる。
白菜と大根がおいしい季節になった。冬は、白菜と大根、それに、葱さえあれば怖いもの知らずである。ついでに油揚げと豆腐でもあれば、なおのことよい。もちろん、ご飯と納豆が基本である。寒くなければおいしい季節だが、この寒さがおいしさの証でもある。ままならないものだ。


食:14時、味噌煮込みうどん、カレー、ご飯。
食:21時、ご飯、白菜と豚バラ煮込み、キムチ、漬物、納豆。


動物性タンパク質の12月じゃ いか刺しじゃ
げそを焼いたのは私 ミンスパイを焼いたのは水底
いかと里芋も不思議な相性がある 冬の味噌汁

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