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1998年2月1週

ナシゴレン


1998年2月1日(日)晴。
水底は、ほぼ1日中寝ていた。それでも眠いらしい。風邪を引いているようなので、身体が睡眠を求めているのだと思うが、水底は「死ぬのではないか」と不安がっている。水底の食仲間からお菓子が届く。紅茶のマドレーヌを食べた。甘くて香りが上品であり、おいしかった。さすがプロの味である。
食:月が変わったので一応記載しておくと、現在使用中の米は、ライスボード新潟の合鴨農法無農薬コシヒカリ。先日まで使っていた自家製神奈川産コシヒカリとはやはり味が違う。同じ品種でも地域が違い、栽培方法が違うとこうも違うのかと思わせるほど、新潟産には粘りがあり、甘みがある。プロの技術である。
食:12時頃、昨夜の鶏水炊きを再度食べる。白菜、大豆もやし、豆腐、長葱、ビーフンを入れ、入っていた手羽先とともに食べる。僕は酢醤油、ゆず胡椒入り。水底は、ごまだれゆず風味。冷やご飯と庄内協同ファームの玄米餅。
食:17時頃、伊豆の饅頭屋のココナッツ入り饅頭、水底の友人で長野に住むお菓子屋のシュガーさんが送ってきてくれた紅茶入りマドレーヌ。
食:20時頃、タイグリーンカレー、タイライス、韓国風チャプチェ、大根のゆず風味サラダ胡麻添え。タイカレーは、グリーンカレーペーストに鶏肉、フクロ茸、タケノコ、ナス、ピーマン、唐辛子、大根、ココナッツミルク入り。カー、レモングラス、カフェアライムリーフ(こぶみかんの葉)が煮込まれている。あまり辛くなかったのはスープが多かったせいと、唐辛子の量による。韓国風チャプチェは、人参、大豆もやし、ピーマン、ナス、長葱、春雨、豚挽肉をごま油と砂糖、醤油、すりおろしニンニク、粗挽き唐辛子で味付けしたもの。1素材ずつを炒め合わせる手間のかかる料理である。チャプチェとは野菜炒めのことであるが、韓国ではこのように中華風サラダ的なものをチャプチェと呼ぶ。



2月2日(月)晴。
ニュースでは、中学生が警官にナイフで襲いかかって捕まっている。本物の拳銃を撃ってみたかったので、奪うために襲ったという。漫画の見すぎかい。それで人生棒に降ってどうするんだ。パスポート取って、単身アメリカに乗り込み、マフィアになるとか、暴力団に入るとか、警官になるとか、自衛官になるとか、拳銃を撃てる職業はいろいろあるだろうに。
食:12時頃、昨日のタイご飯。カレーとチャプチェを食べる。カレーには、メキシコ産のハラペーニョを入れる。辛い! ハラペーニョは、青唐辛子の品種名。ホールのまま水煮した缶詰になったものを使った。いやあ、やはりタイカレーは辛くなければなりません。
食:17時頃、水底がパンプキンプディングを作った。焼きたてを食べた。甘かった。そのままパンにぬって食べてもおいしいくらいに濃かった。でも、おいしいよ。
食:21時頃、ご飯、ケジャン、豚キャベツキムチ炒め、うどん。ケジャンは、アメ横通りで水底が買ってきたもの。ワタリガニの唐辛子ダレ漬け。唐辛子と塩の力で生のワタリガニを食べようというのである。辛くて美味い。豚キャベツキムチ炒めは、そのままの料理。少々酸味が出てきたキムチを使うのがコツ。酸味が甘みと変わるのである。うどんは、カツオと煮干しと昆布でダシをとり、みりんと醤油で薄味にしたてたつゆに葱を煮て、さらにかつおぶしをさっと入れたもの。それに北海道小麦の太いうどんを茹でて食べる。あっさりした関西風でうまい。



2月3日(火)晴。
「軌道通信」を読む。アメリカのSFである。近未来、疫病と気候変動と戦争で崩壊した地球。小惑星があってそこに数千の子ども達と大人たちがいる。火星のテラフォーミング(地球化)ははじまったばかり。地球にとって重工業と資源は、火星と小惑星、そして、軌道の小惑星に頼らざるを得ない。多くの人々が何とか生きているだけのようだ。話は、その軌道上のコロニーに住む少女が地球に向けて自分たちの生活を紹介するという形で進む。恐るべき子ども達、地球とはまったく違う感性、思考、考え方。その背景には。という難しいことはともかく、思春期少女ものである。そんなに難しくはない。数時間で読み終えるような内容だ。でも、読んだ後、きっとわくわく、そして、ほっとする。そんなSFです。
食:8時頃、一昨日の鍋を使った雑炊。黒豆。
食:12時頃、セロリと人参、玉ねぎ、干しエビを使ったソースチャーハン。ゴボウサラダ。
食:水底弁当。今日は弁当の日。水底に持たせた弁当は、ご飯、梅干し、ふりかけ、海苔、黒豆が弁当箱の下。ゴボウのゴママヨサラダ、鶏モツのショウガ醤油煮、カボチャのガーリック炒めが弁当箱の上。別に昨日の豚キャベツキムチ炒め。デザートに甘夏をむいたもの。口直しにヨーグルト。さらに、水底は、昨夜パンプキンパイを焼いていた、持っていってみんなで食べるのだろう。
食:21時半頃、キムチ鍋。ご飯、黒豆、鶏モツ煮、ゴボウサラダ。キムチ鍋は、キムチ、白菜、豚バラ肉、豆腐、長葱が入っていて、さらに、キムチ入り肉餃子を茹でて食べるのであった。濃い!!しかも、この食事に先立って、節分の今日、寿司屋の販促活動に負けた水底は、巻きずしを2本買ってきて、丸のまま恵方を向いて無口に食べると幸せになるという。昨年もやった。ああ。水底は、そこで喉をつまらせるのであった。



2月4日(水)曇り。
立春というのに、寒い。とても寒い1日だった。こんな日は温かいものを食べて、身体の芯からほかほかするのがよい。さて、実は今、粘菌を飼っている。モジホコリである。黄色いやつで、由緒正しく国立科学博物館に展示されているものと同じ個体である。1時間に1センチは動くことができる単一の細胞は、数日でシャーレを這い出しそうになった。水底は、シャーレと寒天を買い求めに出かけ、自ら培地を作って、増殖させている。増えていく粘菌。ああ。しかし、いずれは、その拡大能力も衰えるはず。でなければ、部屋中に……。
食:13時頃、昨夜のキムチ鍋。ぎょうざをたくさん入れて食べる。ご飯。鶏モツ煮、黒豆、ゴボウサラダ。
食:19時頃、下北沢の「伊万里」でシチューを食べる。女性客ばかりのシチュー屋に水底、元同僚のH嬢、僕の3人で入る。ポテトサラダ、かりかりベーコンとポーチドエッグのサラダを取り、僕は、ご飯と鶏のクリームシチュー、水底は、牛テールのビーフシチューを食べる。ご飯が茶碗で出てきたところがすばらしい。しかし、二人ともご飯としては少なかったのであった。



2月5日(木)晴。
寒いぞ。今日も寒いぞ。鼻がたれる。ちょっとした会合に出る。コーヒーをごちそうになった。2時間ぐらいしゃべって帰る。
食:12時頃、食パン、オートミール、自家製マーマレード、バター、ピーナッツクリーム、煎り大豆、パンプキンパイ、ヨーグルト、オレンジジュース。めずらしい食事である。特に何があった訳ではない。ご飯大好き人間の水底が、パンを買おうと言ったのは数日前。その際に残っていたパンである。さらに、オートミールは、粘菌のエサ。粘菌のエサを横取りするようになったら人間おしまいよのう。甘くせず、黒コショウを効かせるのがおいしく食べるコツ。煮えたところで少量の牛乳を入れてさますのだ。自家製マーマレードは、水底が無農薬というより成りっぱなしの夏みかんをもらったことから生まれた。砂糖と夏みかんだけでできるもんだよ。透き通ったマーマレードが。
食:20時頃、ご飯、豆腐、豚キムチキャベツ炒め、黒豆の煮物、鶏モツ煮、野菜たっぷり味噌汁。黒豆の煮物は、黒豆、人参、油揚げ入り。野菜たっぷり味噌汁は、タマネギ、カボチャ、大根、人参、里芋入り、テンペ味噌使用。テンペ味噌…テンペ菌で仕込んだ味噌。麦味噌のような甘さがある。テンペ菌とは、インドネシアの発酵大豆(納豆)に使用する菌のことで、クモノスカビである。これで大豆を発酵させ、それを揚げて料理に使うのだ。日本で、このテンペ菌を味噌に使おうという人たちがいて、実際に仕込まれたものを入手。



2月6日(金)晴。
やや、寒いではないか。1日中、まじめにパソコンに向かう。昨日も今日も明日も明後日も。自分に言い聞かせつつ、時々遊びつつ。顔がむくんでも向かう。うう。
食:12時半頃、昨日の味噌汁でおじや。豚キムチキャベツ炒め、黒豆の煮物、鶏モツ煮、サバのコチュジャン煮(コドゥンオコチュジャンジョリム)、キムチ。
食:20時半頃、ご飯、鶏肉とジャガ芋のカレー、ガドガド、サバのコチュジャン煮、黒豆の煮物、鶏モツ煮、かぼちゃコロッケ。ガドガドは、人参とジャガ芋と厚揚げ。



2月7日(土)曇りのち雨。
忙しい…。のに、オリンピックまではじまりやがった。
食:12時半頃、煮干しと鰹節でダシをとり、千切大根を入れて雑炊とする。それに、キムチ、黒豆の煮物、鶏モツ煮、サバコチュ煮、ガドガド、鶏ジャガカレーなどをトッピングして食べる。
食:17時半〜。都内某所で宴会。水底の食友達と。ホルモン焼きのおいしい店に行く。店の場所と名前は秘密。連れていってくださった方の唯一のお願いごとなのでしかたがない。豚のタマ刺しをはじめ、あまり手に入らないものが食べられる。骨髄の刺身もあった。内臓肉ばかりを焼いて食べたが実にうまい。僕は、肉の内臓刺身は苦手なので遠慮したが、水底によると、タマは甘くてくせがなかったという。この店で、ニンニクまみれになる。生ビールを3杯飲む。その後、中休みに焼酎を1杯別の店で飲み、スリランカ料理の店に入る。ここでは、豆カレー、マトンカレー、マグロカレー、魚のカレーふりかけ、カシューナッツ揚げなどをご飯、ビール、スリランカパンなどで流し込む。スリランカは、南の料理だけあって、ココナッツミルクが多用されていた。実にうまい。飯をたくさん食べた。苦しい。ここで、スリランカパンの作り方を見せてもらう。粉を練ってから、油を手に垂らしつつ、びよーんと生地を伸ばす。なんども繰り返し、ナンのような生地をつくる。それをくるくるっと、巻くように台の上に置き、手でべちゃっとつぶして丸く広げる。すると、同心円のスジが入った油が織り込ま れたような生地になる。これを焼くと、サクサクっとしておいしいのだ。おすすめは、野菜と魚のカレーらしい。今度また行こうっと。



2月8日(日)曇ったり、雨だったり、晴れたり。
忙しい…のに、オリンピック…ああ。ついつい、テレビを…ああ。
食:14時頃、ご飯、納豆、大根と人参のテンペ味噌汁にごじるの素とショウガを入れたもの。キムチ、カレーの残り、黒豆煮の残り、サバコチュ煮、チョウシタのサンマ蒲焼き。
食:17時頃、手作りソフトベーコンとタマネギをコショウ、ケチャップ、マヨネーズで味付けしたピザトースト。
食:21時半頃、ご飯、鍋。鍋は、キムチ、大根、人参、鶏肉、白菜、里芋、なめたけ、餅入り。

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