Ship of Monsters
1960
メキシコのモノクロ映画。「La nave de los monstruos」。
コメディ、SF、パニック、お色気映画かな。
金星では男性が絶滅し、女性の星となっていた。そのため他の星々から男性を連れてくるように女王に命じられ、ガンマとベータのふたりの若い女性が宇宙船で出発する。ベータはガンマとともに育ったのだが金星人ではないらしい。ミッションをこなし、途中で知的生命が滅んだ星に残っていたロボットを救出、ロボットの助けもあり、故障してしまった宇宙船で地球に不時着。宇宙船の中には、ふたりの金星人の女性、ロボットに加え、「怪物」のような火星人などの4人の男性体が捕らえられ、凍らせられていた。
一方の地球。牧場主で「ほら吹き男爵」的なラウリアーノが登場。ラウリアーノとガンマは恋仲になり、ベータはラウリアーノに片恋する。金星人のガンマとベータは「愛」を知らず、実は自らの感情も理解できていない。ベータの片恋はもちろん果たせず、怒りのあまり人間態から変身して吸血鬼態になり、4人の異星怪物男性を解放して地球侵略に乗り出す。
女性だけの国から来た若いヒロインがはじめて出会った男性と恋に落ちる、というのは永遠の安直なSF映画パターンなのかな。実はこの映画の後、偶然にも「月のキャットウーマン」(1953)「ワンダーウーマン」(2017)と「女だけの国から」映画を見てしまった。
もちろん、1950年代、60年代、20世紀の間の女性の描き方と21世紀の女性の描き方はずいぶんと異なってきている。でも、パターンは一緒だ。ついでに言うと、女性の衣装はかなり露出が高い。もちろん、男性ヒーローものでは上半身裸でムキムキというのが定番だから露出が高くていけないことはないのだが、男性向け娯楽映画だなあと思う次第。もっとも、21世紀の「ワンダーウーマン」は必ずしも男性向けとは言えないが。
おばか映画です。