白熱光

白熱光
Incandescence
グレッグ・イーガン
2008
 2013年12月30日読了。いやあ、難しい。でも、壮大でおもしろい。人格って何だろう。存在ってなんだろう。生命ってなんだろう。目的はあったほうが人生は充実するよね。
 まあ、ずーっと先の先の先の未来だ。人類は他の知性体や非物質的な知性体が織りなす世界の一端に存在する。人類に出自があると言ったほうがいいかもしれない。
 世界は、物質世界と電脳世界があり、それは相互に融合しながらある。
「個」は存在し、コミュニティや社会、世界も存在する。ただし、様々な条件、設定、あり方、関わり方がある。物質世界も電脳世界も、そこに生きる「個」も当然だが、物理的な法則、宇宙の法則には影響する。主観時間は主観時間なのだし、相対時間は相対時間だ。だから、個と個の関係は物理法則と時間軸により変わりゆく。同じ物理法則、時間軸、世界ルール(物質世界であれ電脳世界であれ)を生きるなら、その個と個はつながりのある家族であったり、パートナーであったり、友人などなどであるだろう。旅は道連れである。
 さて、主人公が旅に出る。旅に出れば、出会いがあり、発見がある。
 それは物語になる。
 個が複数いれば、そこに物語が生まれる。
 それが、生である。
 いやあ難しいね。
(2015.6.20)