大航宙時代

大航宙時代
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ネイサン・ローウェル
2007
 ネイサン・ローウェルの第一長編で、作家デビュー作。アメリカ大陸を長距離トラックで輸送しているSF好きなドライバーがオーディオブックとして楽しむ。そこで人気が出て、紙の本になったそうだ。日本だと、落語になっちゃうのかな。
 長距離トラックのドライバーが好みそうな、大人のためのジュブナイル。古き良き自由経済のアメリカらしい作品である。
 2351年、ネリス星で物語は幕を開ける。惑星で仕事を持っていた母が事故で亡くなり、主人公のイシュメール・ホレイショ・ワン(18)は、90日以内に就職するか、惑星を退去しなければならなくなった。就職は無理。だってネリス星はネリス社しかなくて、未熟練労働者は不要。しかし、遺産では惑星を退去するお金には足りない。ネリス社に借金をして人生をはじめるか、軍に入隊するか、商船の船員になるか。選択肢はそれだけ。故に、船員になる道を選んだ。船員会館の受付の女性の紹介で、イシュメールは貨物船の最底辺の船員として乗り込む契約を結ぶことができた。
 彼の最初の仕事は司厨補助員。母親にみっちり仕込まれた「おいしいコーヒーをていねいに入れる技」で司厨長の信頼を得て、イシュメールは、星間商船のキャリアを積み始めるのだ。企業惑星を飛び出して、自由を!
 いろいろ書きたいことがあるような、ないような。
 コーヒーをていねいにおいしく淹れるには、まずコーヒーマシンをていねいに掃除することだ。汚れなし、澱なし。水もきれい。豆は挽き立て。そうして、おいしいコーヒーを人に出していると、人生うまくいくよ。
(2014.5.11、2015.6.3)