道を視る少年

道を視る少年
オースン・スコット・カード
PATHFINDER
2010
「道を視る少年」オースン・スコット・カード 2010 読了。カードらしい少年成長譚。タイムトリップものだが、ここもまたカードらしい設定。ちょっと分かりにくいが、「読ませる」カード。ところで、映画は見ていないけれど、ビーン続編の翻訳まだあ?
(2014.3.13)
 でさあ、本書の続編もまだあ?
 軽く紹介しておくと、どっかの惑星に人類がいる。産業革命以前って感じの惑星社会のようだ。リグっていう少年がいて、パスが見える。つまり人間や動物が通った跡(時間線)を見ることができる特異な能力を持っている。他にこういう人間はいないようだ。
 さて、この星の暦はちと変わっている。暦の起点が11191年で、そこから毎年カウントダウンされていく。でもって、物語は、マイナス3年。つまり、この惑星で人間の暦がはじまってから11194年目。なんだって、暦の起点が11191年なんだ? ってのがもうひとつの謎。
 それから、間に挟まるラム・オーディンと彼が率いる移民船の物語。地球で人類は滅亡の危機を迎え、2隻の移民船をつくった。1隻は通常空間を光速の1割で進みながら船内で世代交代を繰り返す船。もう1隻は、移民者が冷凍睡眠し、7年かけて太陽系を離脱、時空の折りたたみに成功すれば90光年を飛び越えて地球型惑星に到着、飛び越えられなければ、みな起きて、世代交代を行うことになるこの2隻目で唯一、パイロットとして生きて、起きた人間としているのがラム・オーディンなのである。彼は、消耗体と呼ばれる高度な人工知能を備えたアンドロイドや船内のコンピュータに試されながら、決断者として存在していた。
 リグの父親が死に、その後起きた事件をきっかけにリグは済んでいる村を離れることになる。そうしてリグの成長、出世?譚がはじまるのであった。
 で、タイムトリップものです。間違いなく。それ以上書くとネタバレになるけど、タイムトリップものであることは、著者の後書きにも書いてあるし、明記しておきたい。
 それに「異能」者が加わる。それにしても、それにしても、異才、異能だ。
 あ、この作品はシリーズで、第1作だからこれだけ読んでも読めるけど、「続きの翻訳まだあ」です。
(2015.6.13)